Business 2023.09.22

韓国新事業をリリースしたクロスプラットフォーム担当者に聞く構想と経緯


入社前から韓国での新規事業を構想し、無事にリリースを達成した柳さん。自律的に働く風土があると評するBEENOSに入社したきっかけや新規事業を開始するまでの経緯や思いについて伺いました。

1冊の本がきっかけで日本へ


―これまでのご経歴を教えてください

柳:
私は韓国出身で、韓国で大学を卒業後に韓国国内の大手電子メーカーに就職してそこで7年程マーケティングやPR関連の業務を担当していました。その後京都大学経営管理大学院に進学し2年間勉強をしました。卒業後は日本の大手電子メーカーに中途入社し、3年ほどお客様やパートナー企業向けのデジタルサービスの新規企画や、全社的なDX戦略の企画を行いました。BEENOSに入社したのは2022年の7月で、今1年とすこし経ったところです。

―日本の大学で勉強しようと思われたのは何故ですか

柳:
学生の時から日本に関連した仕事がしたいという思いはありました。新卒で入社した韓国企業で最初に配属された部署は日本事業の企画部だったのですが、入社して半年で韓国国内向けにPRやマーケティングを担当する部署に異動となりました。日本関連の仕事をしたいという思いは残ったままでした。そんなとき、当時の韓国で「京様式経営」という本が話題になりました。京都発の電子メーカーはなぜ成長を続けているのかという内容なのですが「韓国の電子メーカーも京都の電子メーカーのこういったところを見習うべき」といったことがどんどん報道されていました。私も当時、その本を読んでみて「よし、京都に行ってみよう」と思いました。当時の私は日本語がぺらぺら話せるというほどではありませんでしたし、自分の足りないところをちゃんと勉強するために京都大学に進学してみようと考えたのです。本を執筆された末松千尋先生の講義も受けました。そして卒業後に京都の電子メーカーに入社しました。
 

自分主導でチャレンジできる環境を求めてBEENOSに

 
―BEENOSに入社を決めたきっかけはなんだったのでしょうか

柳:
京都の電子メーカーでは、日本に来る前に韓国で自分が考えていた通りのことはだいたいできました。ただ、自分主導で判断・決断して物事をスピーディに進めていくという働き方をするのは少し難しいと感じていました。次第に新しいチャレンジをしてみたいという気持ちが強くなり転職を検討しました。転職の条件は3つ考えていて、ひとつは自分主導で新規企画などにチャレンジできる環境であること、もうひとつが韓国に関連した仕事ができて、出張などで韓国に行くことが出来ること、最後に電子メーカー勤務の経歴が長いこともありキャリアチェンジしたいと思っていたのでITやオンラインサービスに関連した企業であることでした。この3つに合致したのがBEENOSでした。直井社長との面接でチャレンジしたい仕事や提案などをした際に「一緒にやってみよう」と言っていただきました。新しくチャレンジできる環境なんじゃないかと考えて入社を決めました。面接の場で話していた業務を実際に今取り組んでいるので楽しいです。

―入社してみてBEENOSの印象はいかがですか

柳:
今まで大きな組織での経験が長かったので、働き方や考え方、社風などは異なりますが、ポジティブな要素が多いと感じています。BEENOSの一番素晴らしい点は自律的に課題を設定・発見して、新しいチャレンジができるところにあると思います。自分で判断してスピーディに仕事を進められる点も大きなポイントです。事業担当者レベルで意思決定の権限がある分、しっかりと自分でその責任を負う必要はあると思います。

グローバル事業の新たな軸として韓国新事業を主導

写真=Delivered Korea 代表取締役 キム・ジョンイクさんと2023 KOREA ICT EXPO IN JAPANにて
 
―担当されている業務についてご説明をお願いします。

柳:
BEENOSが投資する韓国企業のDelivered KOREAとBuyeeの連携事業を担当しています。2023年5月に戦略的資本業務提携を発表し、8月にBuyeeとの連携開始のリリースを出しました。BEENOSのグローバルコマース事業は日本の商品を海外に展開するFROMジャパンを軸としてグローバル事業を展開してきたと思うのですが、長期的にグローバルプラットフォームを目指していくためには日本だけでなく新しい軸が必要だと思っています。
そこで最初のチャレンジとして韓国のK-POP商品を中心とした韓国版のサービスを作りたいと考え、進めています。
プロジェクト開始にあたり、Buyeeのデータを分析して現状把握を行うとK-POP関連の販売実績が急成長していることがわかりました。また、韓国内のEC市場は伸張しているものの、韓国の商品を海外に販売する動きはまだあまり進んでいませんでした。FROMコリアTOグローバルを軸とするプラットフォームは韓国にもいくつかありますが、どれもまだ規模が小さく、Buyeeのようなサービスはまだありません。C2C(Consumer to Consumer)のサービスはあるけれどこちらも同じく海外展開は進んでいませんでした。
そこで韓国のK-POP商品は越境ECとの親和性が高く、グローバル販路に新しいチャンスがあると仮説を立てて、Buyeeユーザー向けにアンケートを実施してみたところ、K-POP関連のニーズの高さが確認できました。更に韓国関連商品の購入・配送代行サービスはまだ定着されていないこともわかりました。そうした経緯からやはりFROMコリアTOグローバルの事業はBuyeeでの経験を生かして挑戦し、拡大の余地があると感じました。
BEENOSはBuyeeをもとにしたユーザー基盤や経験、資金力がありますが、FROMコリアとなると現地の商品もないですしネットワークや経験もありません。そこで既存の現地企業とパートナーシップを組んで事業協力を進めることが最短の道ではないかという結論になりました。Delivered KOREAとは様々な形の連携を一緒に考えているところですので、続報を楽しみにしていただければと思います。

―Delivered KOREAの案件で難しいと感じた点はありましたか

柳:
私自身が今までECの業界の経験や知見が無かったので、短期間で自分の理解度を高めることはなかなか大変でした。また、Delivered KOREAの立場から見れば競争関係になりうる事業領域であり、さらに海外の企業なのでお互いの考えや情報を共有できる信頼関係を構築する過程は簡単ではありませんでした。
オンラインでのコミュニケーションでは認識のすり合わせや目標、ビジョンへの共感が難しい面もありましたが、韓国に訪問して対面で話せるようになってからは壁を乗り越えたと感じました。

―海外事業の難しさはどんなところにありますか

柳:
私自身は外国人として日本に来て7年ほど経ち、日本に慣れている部分がありますし、韓国関連の海外事業もしやすい部分があると思います。そのうえで、お互いの国の文化や考え方、やり方などは差があるのでその部分をお互いに認めて協力できる、そういう絆を作るというところが一番難しいところではないかと思います。
BEENOSはそもそもグローバル事業を展開している会社で、社内にもグローバル文化が既に根付いているのでその点については難しさを感じたことはありませんでした。

―入社されて数か月でDelivered KOREAとの連携を形にされましたが、どのように感じていますか

柳:
ECの素人として構想していた事業の方向性や詳細な戦略が決まってそれを実行していくのは不思議でしたが楽しいですね。連携が完了し、事業を拡大させていく段階に入るので、これからが大事だと思っています。

BEENOSは自律的・有機的に成長できる会社

 
―BEENOSはどんな会社だと思いますか

柳:
BEENOSには自立和尊というキーワードがありますが、この言葉が社内で根付いていて、実際に実行できている方が多いという印象があります。個人的には上から指示を受けてそのまま仕事をするという進め方があまり得意ではないのですが、BEENOSでは自分で仕事を作ってやっていくことができます。自律的に有機的に成長できる会社だと思います。

―仕事をする上で柳さんのミッションを教えてください

柳:
今担当している韓国市場関連の新規事業がBEENOSグループの成長において新しい柱になれるように育てていきたいと思っています。短期的には定量的な目標を達成して、Delivered KOREAと共に協力して、着実な事業成長を実現させていきます。
また、現在のプロジェクトメンバー以外の方も巻き込んで、韓国新規事業のミッションに共感してもらい、さらに高い目標も達成していけるような環境を作っていきたいです。

―これからどのような仕事をしていきたいですか

柳:
今企画している新規サービスを定着させ、追加改善などサービスの高度化に向けて動いていきます。それと並行して次の新規サービスを企画し、新規事業の成長を加速させていく必要があると思っています。

―BEENOSはどんな人におすすめですか

柳:
仕事をするうえで楽しさややりがいを感じるのは仕事を通じて自分が成長できていると感じるときや新しい企画を成功させたときだと思います。BEENOSという会社は新しいチャレンジを通じて自分自身の成長を実感しながらやりがいを求めたいという人であれば楽しく仕事できる会社だと思います。

―ありとうございました!