Service 2024.03.27

新規事業を支える精鋭チームに聞く BEENOSならではの国際配送代行サービスとは

2023年に始まった配送代行サービス事業を支える穐本 恭介さん(右)、山崎 舞琴さん(左)、川鶴 一声さん(中央)の3名に事業立ち上げの経緯をはじめ、現在取り組んでいる業務やこれからの展望について聞きました。

―みなさんのこれまでの経歴を教えてください

穐本:
私は2016年1月にBEENOSに入社しました。前職では大手の国際物流会社で、BtoBの国際物流を担当していました。日本から商品を輸出する際の輸送や、日本に商品を輸入する際の輸送の手配や営業などを行っていました。当時、関わりのあったBEENOSの直井社長から物流において新しいサービスを展開していきたいというお話があり、立案者と話をしてほしいと言われました。詳細を聞いてとても面白いと感じて国際物流会社を退職してそのままBEENOSに入社し、この事業を立ち上げました。越境ECにおいて物流は重要なポイントであるので、ロジスティクスの経験を生かしてグループの中で物流に関連するサービスや事業がある場合にはお声がけいただいたりして、物流を中心とした新規事業の立案をこれまでいろいろと行ってきました。その中のひとつが国際配送代行サービスです。

川鶴:僕は2022年に新卒として入社しました。両親が中国人と日本人で、中国と日本を行ったり来たりして過ごしてきました。中学生までは中国に住んでいて、高校生から日本の学校に通っています。大学では国際政治を勉強し、就活では当初は外務専門職を目指していたのですが、事務系の仕事よりもバリバリ働く方が向いているのではと考えなおし、自分にもっと合っている職業を考えたときに国際系の企業がいいと考えました。学生時代に貿易業を行う友人がいた関係で中国に日本の商品を持っていったり、出品・販売を行っていました。こうした経験からモノや情報の移動に興味を持っていたので、BEENOSとやりたいことが合致していると感じ2022年に入社しました。最初はクロスプラットフォーム(XP)事業部に所属し、中国向けプラットフォームの店舗開発や、店舗のプロモーション、マーケティングや企画を担当していました。ライブ配信施策は評価を頂いて社内表彰でMVPをいただきました。2023年1月からは海外購入支援サービスBuyee Connectの営業に異動したことで、営業職を自分のキャリアの軸としていきたいと考えるようになりました。その後、新規事業が0ベースで立ち上がるというお話を聞いてぜひ参加したいと思い、2023年11月から国際配送代行サービスの営業となりました。3人しかいないチームですので、営業活動だけではなく今後のシステム構築のための思考錯誤や、効率化の企画など幅広く業務を行っています。

山崎:私は2014年にドイツから日本へ移住しました。当初はエステサロンに務めていたのですが、語学を生かした仕事をしたいと思い2015年12月にショップエアライン(SAL)にアルバイトとして入社しました。SALではドイツ・アメリカ・イギリスのセラー様と購入前業務・入庫遅延・破損確認等の対応を行い、リーダーも務めました。また、オペレーションで使っている自社ツールの業務効率化にも取り組んでいました。2016年に契約社員となり、様々なプロジェクトを担当したのちに正社員となりました。tensoではリスクマネジメントディビジョンに所属し、Buyeeのドイツ語への翻訳業務、チャージバックチェックや不正チェック業務のほか棚卸しや売却業務、倉庫ツールの入れ替えにも携わりました。当時はtensoではなくBeeCruise所属だった穐本さんのオペレーション業務のお手伝いと管理表作成に関わっており、その縁もあって2023年11月からの配送代行サービス事業においてオペレーションの全般を担当しています。
 

越境ECの知見と安価な料金体系を強みとした配送代行サービス


―国際配送代行サービスついて教えてください
 
穐本:
国際配送代行サービスは、日本のECサイトを運営している企業様が海外に販売を開始した際に躓きがちな海外配送を代行しています。tensoは越境EC事業を長年行う中で国内に倉庫を持っており、価格競争力のある料金での提供を行っているほか、10数年に及ぶノウハウを蓄積していることもあり、これらを生かしたサービスとして海外販売をこれから始める企業様に利用していただければと思っています。配送だけではなく倉庫作業も請け負い、海外に送れない禁制品などの知識や国際配送に適した梱包方法や送り方などの知見でサポートもさせていただきます。EC事業者様の完全な黒子役として、配送だけを担当してお客様の商品をお預かりし、実際に購入された海外の方へお届けするというピンポイントなサービスを提供しています。また、EC事業者様だけではなく、BtoBで商品を海外に卸したり、これから卸していきたいと考える企業様に対して、お客様の商品を代わりに発送いたします。tensoはBtoBのお客様に提示しても他社に引けを取らない料金体系を持っていることが強みです。我々は輸送することでお金を頂戴して利益を得ているので、まるで輸送会社のような業務を行っています。
 


―1日の業務内容について教えて下さい

穐本:
日々、様々なお客さまの商品を多数扱うのでお問い合わせに対応したり、川鶴さんの担当である新規営業の進捗管理などを行っているほか、既存のお客様からの配送に関するご相談を受けて深耕営業などを行っています。今後は川鶴さんにもこうした部分にメインで入ってもらいたいと考えています。 

川鶴:今は色々と勉強して吸収したいと思っている段階なので、穐本さんとは綿密に連絡を取り合って業務を進行しています。どんなことも気軽に相談できる環境で、自分ができることには積極的に取り組み、難しい部分があることに関しては穐本さんに相談しながら対応しています。そのほか定型業務としては営業リストを精査して営業活動に取り組んでいます。

山崎:私はオペレーション全般を担当しています。既存のお客様とのやり取りをはじめ、商品の出荷の手配、発送の準備、送料のお見積りを出すなど倉庫とのやり取りが中心です。商品は到着してきてからでないとわからないことが多く、商品の一部が欠品していたり、想定していたサイズの箱に収めることが出来ないなどのイレギュラーな事態が発生するのですが、それらの問題発生時にお客様や倉庫へ連絡・連携して解決していきます。
 

倉庫と連携し海外販売のニーズに応える

 

 
―新規事業の内容を教えてください

穐本:
EC事業者様の場合、商品をお預かりして配送を行うにあたり、ECサイトでどういった商品を扱うのか初期段階でヒアリングを行います。国際配送向けの適切な梱包や配送時の対応方法などをこれまでの豊富な実績を元にご提案します。お客様は中小企業様が多いため注文数は当初はそれほど多くありません。スモールスタートしながら、ノウハウをお伝えし、一緒に成長していきたいと考えています。Buyeeと違う点はエンドユーザーから手数料を頂くのではなく、クライアント様へご利用料金を請求する点です。毎月請求作業があるので収支をチェックしていきます。
配送代行サービス利用対象としてはEC事業者様・BtoB販売を行うメーカー様などが挙げられるのですが、日本の倉庫会社様にもサービスをご利用いただいています。日本の倉庫会社様は国内向け販売を行う企業様を抱えていらっしゃいますが、海外販売をしたいという要望が多数寄せられていたそうです。しかし、日本の倉庫会社様はこれまで国内ルートのみを扱ってきたため、対応することが難しい面がありました。そこで私たちが倉庫会社様と協力し、倉庫作業を引き続き行っていただきながら、海外への出荷時だけ私たちの配送代行サービスを提供しています。細かいノウハウや割安な配送料金をtensoが提供することで、倉庫会社様は倉庫業務に集中することができ、倉庫をご利用いただいているお客様にも喜ばれる。三方良しの関係が築けていると思います。
 
―国際配送代行サービスを立ち上げた理由を教えてください
 
穐本:
tensoでは越境EC事業を10数年行ってきており、Buyeeや転送コムなどのサービスを提供しています。海外で商品を販売したい企業様がBuyeeを利用する場合、海外ユーザーの情報はBuyeeが取得します。企業側は海外ユーザーの個人情報管理のリスクがないメリットがあるもの、リスクを負って情報を自前で得たいと思っている企業様にとっては配送部分だけ代わりにやってほしいというご要望をいただいていました。新規事業をいくつか立案していく中で、お客様のお問い合わせを見直したところ、このご要望は定期的に上がってきていることがわかり、tensoでは倉庫があるし配送料金も安い、この要望にお応えできるのではと思いました。そこで最初は一人でも「挑戦してみたい」と宣言し、直井社長もやってみたらと後押しをしてくれて、そういったところから始まったのが配送代行サービスです。

―最初は一人で始められたんですね

穐本:
立案という部分ではそうですが、実行にあたってはtenso、BeeCruiseやBEENSOの関係者の皆さんのお力添えがあってのことです。他部署の方に案件があったら話をくださいとお願いしたり、既存の倉庫にお邪魔させてもらい協力を要請したりして、それらの調整にはtensoの皆さんにも協力いただいていました。そこから徐々に定期的にお話を頂くようになり、営業を通して話を聞いてくださる企業様が増えて今に至ります。顕在化していたニーズに対して視点を変えて持っている資産を使ってサービスを作りました。

―事業の動きが本格化したのはいつ頃でしょうか

穐本:
取り組み自体は2021年から始めており、2023年の11月に事業部化しました。コロナ禍に水面下で進行していました。

―どのようなお客様が利用されているのでしょうか

穐本:
今はアパレル系のEC運営事業者様が中心です。これまで国内向けに販売を行っていて、倉庫も既にあるような企業様が海外に販売していきたいというタイミングでBEENOSグループに問い合わせをいただくことが多いです。このほかでは海外向けのクラウドファンディングに出品する企業様が増えています。クラウドファンディングに出品すると海外の方が支援してくれて、支援金で新しい商品を作ってリターン品を支援者の方にお送りすることになります。このケースではプロジェクト達成後の段階で、発送だけ委託いただくことが多いです。クラウドファンディング出品の代理店さまと協力して、多数のお客様の配送をお任せ頂いています。さらに、クラウドファンディングを経て海外からの需要をつかみ、今度は自社越境ECを作ろうという流れになったときにもその海外配送も弊社が引き受けられますというように最後までサポートできるよう取り組んでいます。もっと簡単に海外販売したいというお客様にはBuyeeをお勧めしており、担当を他事業部にお願いするなどグループ内で連携しています。
 

柔軟で密なサポートを提供し、企業とともに成長を目指す

 

 
―お客様にご評価いただいている点について教えてください

穐本:
私たちのお客様の多くは中小企業様です。これから海外販売を本格化したいと考えているけど、自分たちで海外対応をするにはリソースが足りないという企業様をサービス利用の対象者として考えています。今私たちが提供している配送代行サービスに類似したサービスを実施している大規模な企業はすでにいくつかありますが、その規模の大きさゆえに商品件数が1件や2件というような小規模で展開する企業様へのフォロー体制は十分でないことがあるのではないかと考えています。我々はそういった小規模な展開をされている中小企業様に対してもコンサルティングやサポートを密に行うことで、共に成長していきたいと思っています。こうしたフォロー体制の厚さがお客様に評価いただいています。

川鶴:そうですね。僕も柔軟性が一番の特徴だと思います。穐本さんがロジスティクスに関するノウハウや経験、つながりを持っていらっしゃるのでそれらを生かした適切なソリューションを提案できることが強みだと思います。

穐本:BEENOSは越境ECに長年取り組んできているため「越境ECならBEENOS」というポジショニングができており、越境ECに関するさまざまなご相談をいただくことができています。プロモーションや海外のショッピングプラットフォームへの展開、など全方位的に越境ECにまつわることならなんでもご提案することができるという点も評価いただいているポイントだと思います。

川鶴:BEENOSはエンジニアも在籍しているので倉庫をDXするシステム関係の相談もお受けすることが出来る点も強みですね。
 
穐本:川鶴さんの話したとおり、歴史の長い企業様は古いシステムで運用しているところが多い印象です。例えば、Excel管理の自動化を川鶴さんが今年1月に実現してくれて、お客様の工数を大幅に削減するプログラムの運用を開始しました。レガシー的なシステムを使っている企業様は、システムが新しいECのカートとうまく接続できないとか、在庫管理がECと連携できないなど課題を持っていることがあります。そうした課題を解決するためにECの受注から発送までをスムーズに管理することが出来て、分析も送り状も簡単に作れる、という包括的なサービスを提供したいと考えています。現在は要件定義から開始しているところです。

川鶴:プログラムに関してはエンジニアの同期と相談しながらスクリプトのプログラムを作りました。結果として約95%の工数を削減できました。

―今後の目標を教えてください

川鶴:
新規営業を軸として持ちつつ、単純なロジスティクスでなく、ロジスティクスを基盤としてさらに新しいものを展開するような施策に取り組んでいきたいです。具体的には、ロジスティクスをベースとしたスマートな越境ECシステムや販売プラットフォーム、販売ルート、オンデマンドシステムのご提供などを実装していきたいです。個人的な目標としては、ゆくゆくはマネジメントにも携わりたいと思っています。

穐本:商品を運ぶだけではなく付加価値を提供できるのは良いですよね。tensoとしてもこれからどんどん物量が増えていくと思います。その物量を武器に輸送を担う大きいハブとしてより利便性の高い輸送サービスを提供していきたいです。アメリカや東南アジアなどの国にはtensoの保有する物流網によって日本から商品をどんどん送るポジションを確立しつつあると思っています。ボリュームメリットを生かした新しいサービスを作りながら、今までにない国際輸送をEC目線でやっていきたいと考えています。日本の輸出をさらに盛り上げて、拡大する中国企業の物流網から日本企業の物流網を守って行きたいと思っています。

山崎:一番は国際配送代行サービスの拡大です。私はオペレーション担当として穐本さんと川鶴さんが営業に集中できるように、営業の必要がない部分や決まっている業務に関しては巻き取って効率的に回していけるようにしていきたいです。個人的な目標は元気に生きていくことなのですが、現在、仕事もプライベートも充実して楽しめていて、業務に取り組む環境が整っているので引き続き業務の目標に向かって力を入れて頑張っていきます。

―これからBEENOSに入社される方にメッセージをお願いします

穐本:
BEENOSは自立和尊を掲げていて、自分がやりたいことを実現できる環境が整っている会社だと思います。いろんな人を巻き込んで実行できる方には活躍できるチャンスがあります。チャレンジしたい方には合っている会社です。tensoでは国際配送代行サービスの事業部が立ち上がり、グループ全体から様々なご協力をいただきながらお客様ともつながり、一つのことをたくさんの人と一緒になって作り上げています。こういった仕事に魅力を感じる人とぜひ一緒に働けたらと思います。

川鶴:僕自身は入社してからこれまで3つの部署を経験してきました。BEENOSは「野心とテクノロジーで世界の可能性を広げるNextスタンダードを創る」という明確な目標があります。どの事業部もその目標に対して様々なアプローチを試みていて、手法は自由です。新卒入社の人にとって、最初は自分が何をしたいのかわからない状態になるかもしれませんが、ちゃんとした理由と合理性があればやりたいことを実現できる会社だと思います。国際配送代行サービス事業に参加して、0ベースでチャレンジできる環境となり、自分で動きながら業務マニュアルを整備し、勉強をしながらどんどん業務が広がっていく点がおもしろくとても成長できる場所だと感じています。チャレンジを推奨してくれる環境なのでミスを恐れずにトライできます。新しいものを提案する際にはまっさらな状態から始めるのですが、それがドキドキワクワクしながらできる環境です。

山崎:私は当初、正社員という雇用形態にこだわりが無かったのですが、BEENOSに入社し多くの人とかかわりあう中で、挑戦が歓迎されるBEENOSの環境ならスキルアップや様々なことへトライが実現できるのではと考え、正社員に転換しました。挑戦できる環境の中でBEENOSのカルチャーに触れ、魅力ある人々とかかわりあうことでいい仕事ができると思うのでぜひ入社をお待ちしています。

―ありがとうございました!